あのルーリードが死去しました。
ルーリードというと知っている人にはめちゃくちゃ有名だけれど、知らない人にとっては
全く知らないというようなアーティストだろう。

私が若い頃、バンド的なものを始めた時に最初にコピーしたのがルーリード率いる
ヴェルヴェットアンダーグラウンドでした。
ですからそこそこの思い入れもあるんです。
知らない人でもあのレコードジャケットは見たことがあると思う。
アンディウォーホルがデザインしたバナナ一本が横たわっているやつ。
Tシャツでもよく売ってますよね。
有名なわりに好きじゃないと聴けないような音楽でした。
〝I’m waiting for the man″ 〝Heroin″ といった代表曲では、
性的倒錯、自己倒錯した詩世界、サビがあるようなないような旋律、故意にテンションを
崩したようなヴォーカルに不協和音を盛り込む。 それらを1960年代にやっていました。

私が占いの業界に入った時に、諸先輩方に言われたことを思い出します。
〝占い師はぜったい畳の上では死ねないんだよ″
これぞ何たる倒錯!万人のために悩みを解決し、道しるべを与えるべく地道な活動を
している我々自身は畳の上では死ねないとはあまりにも報われないではないか。
当時そんなバカなと思っていましたけど、今ならなんとなくわかる気がする。
いい悪いは別として我々のやっていることは的が大きいんです。
いろんな人間、いろんな世界を受け入れなければいけない。
いろいろなものを受け入れるということは倒錯する運命にあるんですよ。
好きか嫌いかだけでは収まらない何かを常に考えなければならないのです。

ルーリードもやはりそれが必然だったのかバイセクシャルでした。
ルーリードのご冥福をお祈り致します。